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町家障子 WorkShop

  • こいけ、まつい
  • 2016年7月1日
  • 読了時間: 7分

僕は今、金沢の町家に住んでいます。

突然ですが!

みなさんは、障子って張り替えたことあるでしょうか?

実は僕はありません。

小さいころ、障子を破くのは大好きで、よく怒られていたりしたんですがね笑

そうえば、母が障子を張り替えるときも、僕は濡らす+破くの専門係でした。

そんな記憶だけで、最初は障子張り替えられる気でいたのですが。。

いざ、ぼろぼろの障子を着た建具たちを見ると、僕ができる仕事はすでに終わっていて。。

その先の仕事が分からない僕は、気づくとお向かいの設計事務所の武藤さんに助けを求めていたわけです。

そんなこんなで、始まってしまった先週の「町家の障子張り替えWS」。

まあ、しばしお付き合いください。

この方が今回の講師の武藤清秀さん。

僕んちのお向かいにある設計事務所、(有)むとう設計の代表の方です。

実は、HR最初の建築家interview『寺町から金沢を見守るヒーロー』で取材させてもらった方でもあります。

僕の無茶ぶり援助要請にも、笑顔で対応していただきました。ありがたい限りです。

さてさて、このWSのためにどれだけ家にぼろぼろな障子付きの建具があるのかなと詮索していったところ、合計22枚分出てきました。

案外出てきますね。

※そもそも本来は、

・傷んだ障子をその都度張り替える

・周期をずらして、建具のセットごとに張り替える

のが普通らしく、家にある障子を一斉に張り替えよう!なんてことは考えないらしいです。

みなさま、あんまり障子をそのままにしておくと、僕みたいにワークショップでしか対応できない事態に陥るのでお気を付けくださいね。

下見で来てくださった武藤さんも

「結構あるねーー・・」

と半ば苦笑いになりながらも、何が必要か教えてくれました。

それが以下のリストです。

・和紙(障子紙) →言わずもがな。

・霧吹きorスポンジ →古い和紙をはがす時に

・ヘラor木かプラスチック製定規 →桟に残るカスをとるために

・要らないタオル →桟をきれいにするときに。

・のり →ホームセンターに売ってます

・フネ →のりを入れる入れ物のこと。今回は植木鉢の水受けで代用。

・広めのハケ →障子紙を貼る時に

・よく切れるカッターナイフ →張った障子紙をきれいに揃えるときに。

さて、準備も整ったことですし、始めていきましょう!

【町家の障子張り替えWS】開幕です!

①古い障子紙を濡らす。

②古い障子紙をはがす。

③桟をきれいにする。

④乾燥time

⑤のりを溶く

⑥のりを塗る

⑦障子紙を貼る

⑧切りそろえる。

―完成―

①古い障子紙を濡らす。

言わずもがなですが、新しい障子を貼るためには古い障子紙をはがさねばなりません。

何事も新陳代謝。世代交代が重要です。

小さいころ古い障子紙をズタボロにするのが得意だった私ですが、どうやらそれではいけない模様。障子がボロボロすぎると、一気にはがせないので手間が増えます。

(お母さん・・・あんなに喜んでくれてたのに、、。無意味だったんだなあ…)

障子紙をはがす。そのために、障子紙を濡らします。ここで使うのはこの霧吹き!(スポンジや水を含ませたタオルでも可能です)

ポイントは、全体を濡らさないコト!

桟の部分を集中して濡らすことが重要です。(全体を濡らすと、ただただ紙の耐久性だけが落ちてゆきます)

まあ、でも、、。遊ぶよね。そりゃあ、遊ぶよ。でも、これも、障子張り替えの醍醐味なのではないでしょうか。

(濡れるの怖くてブレッブレ。)

②古い障子紙をはがす。

桟を濡らすことが出来たら、ゆっくり障子紙をはがしていくます。

紙の強度が残ってるほど、きれいにはがれるようです。

はがれないカスはヘラで桟を傷つけないようにはがしていきます。

③桟をきれいにする。

さて、紙を剥がせたら。次は桟をきれいにしていきますよ。

タオルなどで桟についたほこりやのりを取り払います。

のりが地味~に残っていると、障子を張るときしみになりやすかったり、次また剥がす時にはがしにくくなったりするそうです。

④乾燥time

建具がきれいな格子に変わりました!

次は、濡れた桟をしっかり乾かします。(しっかり。と言っても、実際は陰干しがいいそうです。

桟が濡れたまま新しい障子を張ってしまうと、桟から“アク”が出てしまい、桟の周りがじわぁあ~っと茶色くなってしまいます。

今回はイベントだったため、午前中はがして、昼下がりから障子張りでしたが、本来は、前日中に格子の状態にして乾かすのがベストだそうですよ。

それにしても、様々な格子が一気に並ぶと格好いいですね。

乾燥timeは、、まあ、しばしこの並んだ格子にほれぼれしててください。

―乾燥time―

さて、いよいよ障子張りのお時間です。

当日はここから武藤さんにきてもらい、ご指導いただきました。

⑤のりを溶く

まず何をするかというと・・・。桟と障子紙を接着するためのノリをつくります。

・・・っていっても、今回は市販の障子用のりを使用したので水で薄めるだけですが・・・笑

 ただ、その「薄めること」が非常に重要なんです。薄めないと何が起こるか?

ずばり、次回はがすのがめちゃくちゃしんどくなります!!

 午前の部でも、気持ちよくはがせた障子がある一方で、全然はがせない障子もありました。

 感覚的には作業量10倍です。

障子は「更新すること」が前提の代物。プロであればあるほど、はがす時のことも考えてできるだけ薄めて。シャバシャバにして使用するようです。

うすめて~うすめて~・・

始めは少量の水。だんだん水の量を増やして薄めていきます。

きれいにダマがなくなって、シャバシャバに。触ると少しぬめりを感じるような状態になったらOKです!

⑥のりを塗る

さて!ここからはスピード勝負ですよ。

のりをハケで塗って、乾く前に素早く障子紙を張っていかねばなりません。

のりを塗るのには順番があります。

内→外の順に塗っていきます。内側のノリが乾く分には、他の桟でカバーできますが、外側が乾いていると、びろんと端っこがはがれてしまうからです。

「幅の広いハケを持ってくるように」と言われ、個人的には幅広のハケを買ってきたつもりだったんですが、僕らがちまちま塗ってるのをみかねた武藤さん。

 自前のハケとフネを持ってきてくれました!

・・・くっそでけえ!

求めてたのはこの規模だったのですね…

一方では幅広ハケでじゃんじゃん塗って~。

一方ではチーム戦でじゃんじゃん塗って~~。

⑦障子紙を貼る

そして来ました。張

る!

水平を確認して、、障子紙を一気に転がす!

張る!

張る!!

転がし終わったら、のりがついてるか確認して、必要に応じてのりをちょちょっと付けときましょう。

今回は人数がいたので、協力プレーで水平を確認しましたが、一人の時は、弱粘性のテープを使って、障子紙を仮止めしてからのりを塗り始めるといいと思います。

⑧切りそろえる。

さあて。最後のお仕事です。

はみ出した障子紙をカッターで切ります。ここでポイントなのが、よく切れるカッターを使用すること!!

のりで湿った障子紙はなかなかにやっかいです。切り口がぼっそぼそにならないように注意しながら、刃をできるだけ斜めにしたり、交換したりして頑張りましょう。

必要に応じて長い定規を使用してくださいな

―完成!―

のりが乾くにつれ、紙もピンと張ってくるそう。

ついに、ボロボロだった障子達が見事に生まれ変わりました!

 「障子を変えると部屋そのものが明るくなる」

 武藤さんは言います。

建具を取り付けてみました。

しかし、障子の持つこの魅力はなんなのでしょうか。

仕切っているけど、向こう側の“気配”みたいなのが透けて見えるような。

張り替えたことによって部屋の雰囲気が引き締まった気がします。

皆さんのおうちにもぼろぼろの障子が潜んでいませんか?

障子を張り替えると、障子そのものも変わるけれど、やはり部屋の空気感が変わります。

機会を見つけて、張り替えてみてはいかがでしょう。

・・・あ。でも、梅雨は湿気が多くて張り替えづらいみたいですよ♪

最後に、講師の武藤さんありがとうございました。

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